SESをやめてよかったこと

SES多重請負,客先常駐,年齢制限,業務委託契約,残業,法律違反,準委任契約

プロフィールページにも記載していますが私は合計で3年ちょいSESに身を置き、現在は自社サービス&受託開発の会社に勤めています。

会社員としてもフリーランスとしても身をもってSESを体験しましたが、SESを内側から感じた問題点を挙げていきます。

 

 

多重請負

SESをしていると二次受け、三次受けという状況は普通にあります。

私が勤めていた会社は新規開拓営業をしないこともあり、案件は他社が取ってきたもので二次受け以下が基本でした。

 

実際に体験した話ですが、「ここの現場は〇〇社の社員としてよろしくね」と言われたこともあります。

そんな立場を続けると自分がどこの会社の人間なのか分からなくなるし、帰属精神なんてものは早いうちからどこかへ行ってしまいます。

フリーランスの時は仕事内容は変わらないのに直受けか二次請け以下かで単価に違いが出てくるのもやってられない気持ちになりました。

ほとんど何もしていない間の会社に中抜きされていることも釈然としませんね。

 

キャリアパスが現場都合になる

これも実際にあった話ですが、面談を複数社受けて「ここに常駐したい!」という会社があっても

「〇〇社から面談OKが先に出たから、そっちに行って」

という上司の言葉でそれが叶わなかったことがありました。

 

いくら自分が「Laravelを学びたい」、「フロントエンドの経験をもっと積みたい」等と思っても常駐先の開発環境、もしくは自社の都合で希望通りいかないことも多々あります。

Laravelの経験を積みたくてもZendフレームワークの開発現場へ行ったらLaravelの経験は積めません。

 

しかし自分次第ではありますが自社開発なら技術を極めたい、マネージメント経験を積みたいという希望はSESより比較的通りやすいと思います。

私は現在新規自社サービスの責任者(一人しかいないのでw)をさせてもらい、サーバーの構築から設計、実装等の上流から下流工程までを一通り担当しています。

 

客先の都合で一方的に契約を切られる

私がフリーランスSESをしていて一番怒りがこみ上げたのはこれです。

 

テレ〇朝日メディ〇プレッ〇スという会社に中間エージェントを通して入場した際、契約期間は二か月でした。

もちろん私は最低でも二か月はいられるものだと思っていました。

一か月経ったころ契約延長の打診が来たのですが、私はこれを断りました。

開発にあまり関係ない定例ミーティングが多いのと、契約終了直後を目途に就職活動をしたかったからです。

断る旨を伝えたところ、後出しで「うちとしては長期で常駐してもらうはずだったのに」と言われ当月一杯の契約打ち切りを言い渡されました。

二か月の契約なのに一か月で打ち切ると言ってきたのです。

 

もちろん中間エージェントを通して抗議するも、エージェントも相手が大手なので強く言えず結果は覆らず。

何とか迅速に就職活動し内定がもらえたからいいものの、契約内容を反故にした当時の常駐先には未だに良いイメージがありません。

本気で労働基準局に行こうと思いましたが、妻に止められたので止めました。

 

客先の様々な理由によって契約は切れます。

担当の案件が落ち着いたから、予算の都合、客先に気に入られなかったから等、、、

また面談して現場が変わって覚えることも人間関係も一からリセットされるのは結構大変な労力ですよね。

 

SESは年齢制限がある

これも実際に体験した話で、常駐先で一緒に仕事をした当時50歳のフリーランスの方がぼやいていました。

 

「40代後半になると開発案件がグッと少なくなる。今は自分の単価を下げて面談を受けている。

自作のサービスやアプリを作ったけど全然マネタイズできずお先真っ暗だよ。」

この話を聞いて全く笑えませんでした。

 

SESに年齢制限があるのは暗黙の了解になっていると思います。

「SESでこれからもやっていくんだ!」という強い気持ちがあるならまだしも、何となく単価がいいからという理由でSESフリーランスを続けている方は本当に注意していただきたいです。

早いうちから何か対策を取らないと上記のフリーランスの方のような状況になってしまいます。

 

残業が多くなることが多い

実際に入場した現場で「月の稼働時間の下限は160時間」という現場がありました。

その現場でどれだけ開発で貢献したとしても、月の稼働時間が160時間を超えていなければ評価されず、単価が満額払われないのです。

祝日休みが多い月は無理やり残業していました。

その時の自分に全然関係ない仕様書や開発現場のWikiを読んだりしていましたw

しかもそんな状況で読んでも全然頭に入りません、、、w

 

SESは基本的に成果より稼働時間で評価されるので(特に会社員)、残業が多くなる傾向があります。

 

そもそもSESは法律違反が多い

SESで多い「業務委託契約」、「準委任契約」だと下記は違反になる可能性があります。

  • 面談での選考(派遣法でもアウト、紹介予定派遣は認められることがある)
  • 客先でお客さんから直接指示を受ける(派遣契約はOK)
  • 出社時間を定められる
  • 作業場所を定められる

 

自分がしている仕事が「法律違反」だと分かって胸を張り続けることができますか?

私はできません。

上記の項目は派遣契約だと縛りが緩くなる面もあるので、派遣免許を取得してSESから切り替える会社も増えています。

私が過去に勤めていた会社もそうです。

 

これは私の見解ですが、SESがいきなりなくなることはないが今後少しずつ狭まっていくのではないか、と思います。

 

まとめ

SESの多重請負構造は百害あって一利なしだと思います。

求人サイトでも事業はSESだけどそうはっきりと明記しない企業は多いので、気を付けた方がいいです。

「勤務先、勤務時間はプロジェクトによる」と記載してある企業はほぼSES会社でしょう。